篠原紙工の書籍販売(3)
フォトグラファーの忠地七緒さんとついに対面でお会いすることに。ブログの文章で受けた印象と同じく、自分の意志を強く持っていらっしゃる方に感じました。打ち合わせは篠原さんと小原さんの2人で対応。忠地さんはどんな小さな意見でも耳を傾け、自分の目の前にいる人すべてに目を配り、会話のキャッチボールも本心から投げかけているのが伝わり、とても素敵な方、という印象が強くなりました。
打ち合わせの序盤、向かいに座り、お互いが簡単な挨拶をすると忠地さんが即座に今回の書籍の説明を始めようとしました。
すると篠原さんが「まずはお互いの自己紹介をしませんか?忠地さんがどんな方でどんな経緯で今このように私たちと出会うまでになったのか、知りたいな、と思いまして。」と一言。
ここ最近の篠原紙工では会う前にメールでのやりとりがあったとしても初めて対面で会う際はすぐに案件の話はせず、お互いの人となりがわかるような時間を持つようにしています。なぜ始めたのかを聞くと、「なんとなく、良いかなと思って、始めた。」と、篠原さん。お客さんも改めて「自己紹介をしましょう。」と言われ、自分のことを話すなんて日常で(おそらく)そんなにないだろうから、ちょっと改まった感じも?あるかもしれませんが、側から聞いていると良い感じに聞こえます。話題が広がったり、驚きがあったり、共通点があったりと。
篠原さんは、篠原紙工が大切にしていることや自身の価値観、特に仕事で関わる人間同士の良い関係を作るところから良い制作物が生まれると信じていることなどを話しました。制作ディレクションを担当している小原さんからは篠原紙工に入社した経緯や、自分の役割や得意とすることを。忠地さんからはフォトグラファー・ライターになった経緯、大切にしていること等々。3人のアイスブレークは軽やかでした。
お互いを知らずにして仕事をすることの方が大半の世の中ですが、この世の仕事全てが、こんな風に、その人の立場になってお互いを理解しながらフェアな関係で物事を進めていったらどんな世界になるだろう…?
物事は進むのが遅くなるでしょうし、正直、現代の私たちにとっては面倒臭いことばかりかもしれない。でも、本来人間は自分に興味を持ってくれる人、わかってくれる人に心を寄せるはずです。そこで感情が動き、良いエネルギーを注ぎたくなるものでは?と思います。
私たちは生活の中で、無数の誰かの仕事によって支えられていると思うと、例えば、いつも行くコンビニの店員さんにもちゃんと目を見て、さりげなく、(でも本心、心から)「ありがとう。」と言ってみるのも良いエネルギーの注ぎ方だな、なんて思います。相手はどう感じるか、どう反応するかは別として。どんな小さなことでも自分と関わる人に興味を示して、自分から表現する。そういうことを日常でちょっと意識するだけでも、少なくとも自分の心がクリアに、純度が高くなる感じがします。
現代の私たちにとっての面倒臭いな、と感じる中にこそ、本当は…私たちの欲しくてたまらない「心の通じ合い」がたくさん転がっているのかもしれませんね。
また書きます。
写真提供:忠地 七緒
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