深圳アートブックフェアの参加
突然決まったことなのですが、中国の深圳(シンセン)で開催されるアートブックフェアに篠原紙工が参加することになりました。主催は上海にあるBANANAFISHという出版もやっている本屋さんと上海アートブックチームによるもの。秋に開催される上海アートブックフェアの前に国際都市になりつつある深圳でも開催されるとのことで、突然お声がかかりました。
きっかけは今年に入社した篠原紙工メンバーの1人がBANANAFISHさんと繋がりがあり、店主の方も篠原紙工のことを前から注目してくださっていて、この機会に是非ご参加を、という嬉しい声がけからでした。私たちはブースでの本の販売ではなく、展示スペースでこれまで制作してきた本の展示となります。コンセプトとしては篠原紙工が何を考えどうやって本を制作しているかという考え方をメインにというご依頼でした。ホームページに掲載させて頂いている本を中心に展示し、いろんな方とコミュニケーションがとれたら良いなと思っています。
深圳地区はアメリカでいうシリコンバレーのような街で、IT関係の企業や海外からもたくさん人が出入りし、インターナショナルな感じだそう。開催される場所 (海上世界文化芸術センター)の建物は日本人建築家の槇文彦さんによるものと聞いて謎の安心感が湧いてきました。槇さんの建築物に多く触れたわけではないのですが、ヒルサイドテラスやスパイラルなどを手がけた方と知り、開催中の空間環境は心地がいいに違いない、と想像しています。
紙媒体の本はじわじわと減少しつつも紙媒体の本への興味やその世界の繋がりというのは強くなってきているのかもしれないと感じる時があります。中国で篠原紙工のことを知ってくれているのも、究極を言えば、篠原紙工に来るお客さんが持ってきてくれるアイデアに真摯に応えた結果、個性あふれる本が生まれ、その本たちが誰かの手に渡り、世に流れた結果です。紙の本であることの意味や良さを今一度考える人も増えてきているからこそ、篠原紙工にも興味を抱いてくれる人がいるのではないか、そんなことを思います。
先にも少し書きましたが、今回の動きは篠原紙工の新入社員たちによる提案で、そのうちの一人は中国出身で今回私と一緒に深圳へ行きます。私としてはメンバーの母国へ本人と一緒に旅立つというのも今回の楽しみでもあります。