Sakumagさんとのアップサイクルなメモ帳ができるまで
何を作る上でもゴミを出さずに作るということはなかなか難しい。
製本会社では基本、古紙回収リサイクルのシステムにはなっているけれど、全てが出せるわけではないので、大量の端材を処分するときは、やはり心が痛みます。かといって、余り紙を全て残していたら倉庫がいくらあっても足りないし。さて、どうしたらいいものか。篠原紙工にいるとそんなことをよく考えます。
私の行っている環境配慮は微々たるものですが、自分の生活範囲でできることはマメにやる、ということの積み重ねでしょうか。ゴミの仕分け、コピーでは裏紙を使う、食べ物を無駄にしない。詰替を使う、他にも諸々。あと、ゴミを減らすとはまた違うけれど、物を「最後まで使い切る」っていう精神も大事だなって思います。機能するのであればその物の命を使い切る…と言うと大げさ?かもしれませんが、物と付き合い方の一つだと思います。
Sakumagさんが発行したZINEの余り紙を使って文具を作りたい、と篠原紙工に声掛けをしてくださった際、私は「物を使い切る」の考えのもと、「電話の時に使うくらいのメモであれば、文字が印刷された面の紙でも、十分要は足りるし、これもメモ帳です。と言い切るのはどうでしょう?メモ=白紙、という考え方を一度捨て、こちらの意識を変える、くらいのつもりで。」この意見を言うことは少々勇気のいることでした。「メモ帳って言って売るのなら、ならやっぱり白い紙でないと、お金は取れないかなー。」と言う返事が来ても全くおかしくない。しかし、そこでまた新たに紙を買って余り紙が出て、制作にもエネルギーを使って…それは問題ではないのか?いや、そこまでストイックにやる必要はないのか、と自問自答でどんなお返事がくるかシュミレーションを繰り広げてましたが、Sakumagメンバーの疋田さんは「そこ!それ大事ね、意識を変える」と即答してくださいました。それが私にとって、とっても嬉しかったのです。
「意識を変える」なんていう言い方は出すぎた意見にも聞こえるかな?と思い、言うことに対して勇気は必要でしたが、どこかでSakumagメンバーであれば賛同してくれるかも、という思いもありました。なぜなら、「We Act!」というZINEの内容はそれぞれの人がこの社会の当たり前に対する違和感や自分の中の葛藤を声に(文)に出していて、私自身も共感することも多かったから、そんなコレクティブ(=共同体)の人々であれば、私の声も拾ってもらえるんじゃないか、と思えたのです。
メモの他にも紙ファイルや封筒、今あるものでできる物を作ろうとアイデアを交換し、とても心地よいやりとりができました。篠原紙工の中でも無駄を出さない制作という面で色々考えさせられるし、今後の自分たちの新しいスタンスを築く上でもいいきっかけになりそう、と話していました。
4月1日にはSakumag主宰の佐久間さんと、メンバーの疋田さん、私の3人でトークをしますが、篠原紙工のこれまでも話せたらいいなと思っています。
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