図書室オープンと展示
先日1月24日、篠原紙工図書室の内覧会とささやかな宴を開き、翌日25日には図書室を一般オープンしました。内覧会へお越しいただいた方々への感謝の気持ちをどのように表現したら良いかわからないくらいです。心からありがとうございました。心地良い人数感で我々のキャパシティーを超えることもなく、あたたかい雰囲気のまま無事に終えることができ、正直ほっとしました。一般オープン初日、もしや閑古鳥が鳴く可能性も?と想像したのですが、そんなことはなく、お世話になった方々や近所の方も立ち寄ってくれました。ありがとうございます。
図書室では篠原紙工で制作した本があるだけではなく、「Bindery Story」というコンセプトを軸として、1冊の本が出来上がるまでの制作過程や背景ストーリーをご紹介する展示も定期的に行っていく予定です。
さっそく第1回目のBindery Storyは「はじまりの風 五十嵐威暢のことばのいぶき」。こちらの本は篠原紙工の新島さんが個人出版で出したもの。自分の勤める製本会社で自分が手を動かしてつくっているということもあり、制作工程や背景も細かくご紹介できるのが今回の展示の魅力のひとつ。本の内容は全く同じで通常版と特装版の2種類あるのですが書体や紙質が違うだけで本の世界観、言葉の伝わり方の違いを手にとって感じていただけると思います。
製本される前のトンボ付きペラ印刷1枚から折加工され、紙束になった状態の本文、特装版の箱も構造が分解された状態で展示されています。個人的には2000近い言葉の山(五十嵐さんのツイート)からどう絞って本にまとめたかの編集作業メモがとても興味深いです。他にも装丁デザインのプロセスもあり、箱に施されている空押しの仕組みなど…盛りだくさん。ですね。
一般オープンの初日、来てくださった方に展示の説明をしようとしたのですが、この「はじまりの風」は話す切り口が多すぎることに気づきました。五十嵐威暢さんというアーティストのことなのか、共著の新島さんたちのことなのか、そもそもなぜこの本をつくるようになったのか、五十嵐さんの言葉は元々はTwitterに発信していたもので、なぜツイートを何年も続けていたか等々。どこから話せばよいか(どこが聞きたいか?)そんなこんなで、話すのが決して上手くない私の会話がより一層、しどろもどろだったかと思います。(それだけ強いご縁が複雑に重なり合ってこの本が誕生したということですが)説明もたぶん徐々に慣れていきます。始まったばかりで右往左往することもあると思いますが、精進していきます。