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愛しのウンベラータ

ずっと前から、ある願いがありました。それは篠原紙工のオフィススペースに緑、植物を増やすこと。ここ最近、その念願が叶い、植物がやってきたのです! 4階のオフィスは窓がたくさんあって日当たりが1日中良く、仕切りがない広い空間で風通しもよく、天井も高いことからきっとここは緑が生える空間だろうな、と思っていました。でも既に7年近く、1本だけひっそりと佇む木はいました。

私が入社して間もない頃、会社の生活用品を揃えに一人IKEAに行った時のこと。レジに向かう直前に目に入った、そこそこの大きさの植物を誰に相談することもなく思わず買ってしまったのです。ウンベラータという植物。葉が大きく艶もあり、樹木っぽい雰囲気が良いなと思って。もし不必要な物を買ってと怒られたら買い取ればいいや、となんとも勝手な判断で会社のお金を使わせていただきました。


自力で持ち帰るには大きすぎる高さの植物でしたが自社トラックで迎えに来てもらえるので、大きさなんて恐れる必要ありません。堂々と私と植物の2人は迎えを待ちました。IKEAでトラックでお迎えなんて贅沢です。さっそく4階のオフィスに置くと、私の中では「緑とこの空間、この感じ!」と感動。でも周りは、買ったんだ、ふーん、いいね。くらいだったと思います。怒られなくてよかったけれど、篠原紙工をよく知る他社の方々のほうが「おお!緑買ったんだ、いいじゃんー。」とわかってくれて、社内での反応がちょっと残念だったのを覚えています。

買ったはよいけれど、これからが大事。彼、ウンベラータを枯らさないように、私が育てなければいけません。プラスチックの鉢で申し訳ないけれど、しばらく一緒に生きていけるか、お互い様子をみよう。しばしの間、我慢してね。と水やりを続けます。私は植物に詳しいわけではないので、全くの我流ですが、時々ベランダに出してお水を上から水浴びのつもりで..かけたり、葉っぱを拭いてやったりとしていると、なんとなく周りの人も彼に注目するようになり、1、2、3年と年月を重ねていきました。すると、購入した時は私の腰下くらいの高さだった彼は今や私の肩くらいまで成長しました。

ウンベラータはイチジク科の種類らしく、私は果物のいちじくが見た目も味も色も好きなので、彼の名前を (fig=いちじく)からフィギーと読んでいます。フィギーちゃんはその後も篠原紙工を見守り続け、ある時は社内の撮影にアクセントとして使われたり。私の中ではもう同僚というか、目を休ませてくれたり、成長する楽しみを与えてくれて、無言だけど、いるといないとでは大違いな存在です。

そんなフィギーちゃんの仲間がこの度たくさん増えました。
オフィス天井にまである高さの木や天井から吊るすタイプの不思議な植物など、人間以外の生き物がこの度、篠原紙工に入社したのです。
一気に増えた緑たちをフィギーちゃんはどう感じたでしょうか?存在感のある植物たちが入り、もしかしたら嫉妬して自分の役目はもう終わりだ…なんて思って存在をかき消そうとしてる?(それだけはやめてほしい) それとも大喜び?植物同士で何を感じあっているのだろう、と想像してしまいます。

フィギーちゃんの根は大きく成長し、それが狭く心地悪いだろうと思い、他の植物たちがくる前に彼の家でもある鉢を新しく変えました。それが原因なのか…最近元気がないのが同僚の私としては気がかりです。植物に詳しい人の助言を受け、土を変えて今は様子を観察しています。植物の知識のない私の元で、たくましく、ここまでスラリと成長してくれて、いつも無言でみんなに良いエネルギーを与えてくれていることに心から感謝しています。フィギー、君は篠原紙工の植物文化の中で一番の王様なのだ。早く元気になって。

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