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製本は手段

6月14日、東京都印刷工業組合主催による「福永紙工と篠原紙工の考える デザインと経営」というタイトルでセミナーが開催されました。社内のメンバーと一緒に4Fオフィスで見ました。思いのほか、静まり返って、みんな真剣にセミナーを画面越しに見ていることに驚きました。

数年前はFactory 4F という名目で社内で製本セミナーを開催したり、お客さんとの打ち合わせのすぐ側で手作業をしながら篠原さんの仕事のやり方や考えていることが自然と耳に入ってくるという環境もありました。しかし、ここ最近はコロナの影響が後押しをして、篠原さんも社外で自由に仕事をするスタイルになり、今までみたいに彼の考えていることが自然な形で社員に伝わる…という感じではなくなっています。これも一種の自然な流れ。

今の篠原紙工のメンバーはだいぶ平均年齢も若くなってきていて、そんな彼らは篠原紙工が理想の在り方に少し近づいた時期に入社しています。前みたいに「作業着来て、いつも会社にいて、来るお客さんに自分の考えを楽しそうに話す社長」を知らないメンバーにとっては今回のセミナーは新鮮に聞こえたかもしれません。

昨日のセミナーの内容でも、終始「人」のことを話す篠原紙工。
私たちにとって製本はあくまでも手段でしかないのです。本当に扱っている、見ているのはその先にある人の想いや心。だから加工技術の話が第一として出ないのも自然なこと。どんな仕事でも究極の究極、行き着く先は「人」なのだろうけど、篠原紙工はかなり直球なんだと思います。でも、シンプルに大切にしたいことがあるならば、迷うことがあっても問いかけをして方向性を修正できる。

とは言え、現実ではどんな仕事でもこのフィロソフィーが通用するわけではなく、社内でさえ、考えが共有しきれないことや矛盾は多々あり、軸がブレそうになることもあります。そんな時は、篠原紙工の在り方の再確認する時。会社だけでなく自分を信頼する、信じ直す、あぁ….結局はこの繰り返しなのかな?なんて思います。
誰と、どんな風に、どんな喜び、ワクワク、可能性…感情を分かち合えるか。篠原紙工という舞台でどんな物語を創っていくか。画面越しの篠原さんを見つめながらそんなことを思いました。

見てくださった方々へ、ありがとうございました! 心を込めて。

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