ディレクションという仕事
篠原紙工では約3名でディレクションチームが構成されています。今までは営業という名前で動いていたのですが、自分達から営業をかけて仕事をとってくるというよりは「こんな本が作りたい」から始まってお客さんとの密なコミュニケーションを取りながら最後まで一緒に作り上げるという形。そんなことから「営業」という職種とはちょっと違うんじゃない?となり、ディレクターと名乗ることになりました。横文字になると途端に洗練された感じに聞こえますかね。
お客さんの「こんな本が作りたい」という声から始まり、私たちからは「なぜ?」という質問を投げかけ、相手が何を求めているのかを探り、相手の考えるコンセプトに触れることができてからがある意味、製本会社として第2のスタート。表現したい物を作るにはこういう製本方法や技術があって、と紹介し、時によっては印刷会社さんの手配、協力会社への声かけ、見積もり、仕様書の作成。やることは山ほどあります。関わる人が心地よく動けるように細かいところに指示や連絡、確認をし、全体を動かしていきます。
1冊の本ができるまでにたくさんの人が携わり、その人の流れや気を回すのがディレクションの全てではないかな?とも思います。篠原紙工のディレクターたちもそれぞれの個性で動いていて、各々お客さんと苦楽を含めてドラマに満ち溢れています。(当事者はきっともっと大変だろうけど)
携わる人のモチベーションがある程度合わないといい物はできないと思っている私たち….。言われたことを指示通りに機械を動かすだけではない篠原紙工。ある意味めんどくさい集団かもしれません。でも、いつも思うのが、私たちと仕事をすると製本の世界が広がってこれまでの本や冊子の考え方に変化が起こる。そして本づくりの楽しさがより広がる。創造性が広がる。私たち篠原紙工と関わるご利益ってこういうことなんだと思う。